Tomi no ko
2016/12/31
2016/10/27
恐ろしさと願い
4年前に皆既日食を東京で見ることができた。
その日は早起きをして、近所の井の頭公園まで出向いた。
橋の上には、橋が落ちてしまうのではないかと思うほどたくさんの人。
皆同じ方向を見て、決定的瞬間を待ち構えている。
昔の人は、こんな光景を目の当たりにしたとき
きっと世界が終わりを予感したのかもしれないな。
どうか、今日がいい日でありますように。
影に浸食されいく太陽をみながら、私は思ったのだと思う。
ラベル:photography
diary,
photography
2016/06/20
2016/06/12
2016/06/05
2016/05/20
植物図鑑1
2015年8月の終わり、庭作りの為に雫石へやってきた。
雫石は曇りが続き、やや肌寒いくらいだった。
朝6時に起きて、鶯宿温泉街を散歩するが、誰一人としてすれ違わない。
空気はひんやりと湿気を含んでいる。
いつかの夢で見たようなものばかり目に入る。
朽ち果てた倉庫や、傾いたスナックの看板。
雑草の生い茂る荒れ果てた空き地。ころがるブロック塀。熊出没注意。
寂しい。
スピーカーからひび割れた音で朝6時半の合図を告げるチャイムが鳴る。
作業への集合までは、まだ1時間程あったので、宿に戻り
真っ白なシーツに顔をうずめる。
洗濯のりの匂いと花の色だけは、故郷から遠く離れていたって
重力をたっぷりとかけれるような安心感をいつも与えてくれると
思いながら、また少し浅い眠りに入った。
ラベル:photography
photography,
plants
2016/02/11
人はどの色より緑の中で最も目が利く
サトルさんが、自分で作った平屋の模型を手にして、
「土壁の家を作るぞ、その辺りの子どもたちを集めて、皆で壁をパンチするんだ
土壁は空気を抜くことが大事だけな」
と熱のこもった調子で話していたのはかれこれ10数年も前の話だと思う。
私は当時、今よりももっと夢見る少女で、その話を聞くたびにワクワクしたものだ。
10数年して、サトルさんは初めて”夢の土地”を案内してくれた。
雨上がり、山土がぬかるむ日に、私はお気に入りの緑色の靴でこの場所を訪れたことを
やや後悔している。靴を洗うのはあまり好きな作業ではない。
杉の木がぎっしりそびえ立つ、日向の少ない小道。
螺旋状に続く小道を辿って行くと、
螺旋状に続く小道を辿って行くと、
空が高く開けた土地があった。
平屋を建てるであろう場所の周りを取り囲むように
柿の木やレモンの木、名前のわからない柑橘の木が植えられている。
サトルさんの現実的な説明を聞きながら、
もし自分がここで暮らすとしたらと想像すると、真っ先に熊のことが不安になった。
「ここは熊は出るか?」
サトルさんの現実的な説明を聞きながら、
もし自分がここで暮らすとしたらと想像すると、真っ先に熊のことが不安になった。
「ここは熊は出るか?」
「ここは出らせん」
けれど山は繋がっている。
街灯もなにもない山の中で、暗闇に人間が住む恐怖が私を襲う。
もし熊が出てきたら、私はその時、勝てるだろうか
何を武器に戦う?
フライパンで顔に一撃するのか
そんなことを考えていたら、山の奥に大好きな藤の花が見えた。
柔らかい藤色は、恐怖を一瞬にして持ち去って行った。
けれど山は繋がっている。
街灯もなにもない山の中で、暗闇に人間が住む恐怖が私を襲う。
もし熊が出てきたら、私はその時、勝てるだろうか
何を武器に戦う?
フライパンで顔に一撃するのか
そんなことを考えていたら、山の奥に大好きな藤の花が見えた。
柔らかい藤色は、恐怖を一瞬にして持ち去って行った。
ラベル:photography
diary,
photography
登録:
投稿 (Atom)